ハル定例MTGの記録(2022年3月)
はじめまして!新しくハルのブログ担当に加わりましたもちです^^
ひさしぶりの投稿になりました。ハルはこの間も活動を続けていたのですが少々忙殺されておりました。
でも活動の記録を残すのはやっぱり大事!今はコロナもあって制限がかかっていますが、これからハルでももっと色々な企画をしていきたいと思っています。ということで新しく来てくれる方にハルの様子がわかるよう、今月から心機一転頑張りたいと思います。
ところで新入りのもち、ペンネームを何にしようかと考えていたのですが、私の最愛の動物である小鳥と似たペンネームを持っているメンバーがすでにいますね。。
なのでもちにしました。理由は特にありません。実は今韓国に留学していて、語学堂でもちに関することわざをたくさん習います。それでふともちが思い浮かんだ次第です。
完全な思いつきですが悪くないでしょう!
1. 新規メンバーの自己紹介
今回からハルにはもちを含め新しく4人のメンバーが加わりました!
仲間が増えて嬉しいですね!
それぞれの関心については、これからの企画で追々扱っていこうと思います。
2.フレディさんの発表「選択的夫婦別姓とは何か」
3月の企画は大学院で選択的夫婦別姓制度について研究をしているフレディさんによる発表でした。
もちの女性の友達も最近結婚したのですが、姓を統一する際や戸籍を作成する際にやはり女性側に負担がかかると相談されました。
フレディさんのプレゼンの中でも「婚姻総数のうち女性が改姓した割合は96%にのぼり、恋愛という極めて私的な関係性のなかにも男女の権力構造が存在している」との指摘がありましたね。
1947年の民法改正後も事実上存続してしまっている家父長制に抵抗し、事実婚を選択する人が増加しています。
しかし事実婚では、夫婦別姓はかなえられる一方、法律上はあくまで「準婚」。
そのため法律婚と同等の権利は得られず、税金負担の増加・出産の際の煩雑な手続き・相続権がないなどのデメリットが発生します。
このように個人の選択権が制限される状態を解消するための「選択的夫婦別姓」ですが、2015年に引き続き昨年6月にも最高裁は、夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定を「合憲」と判断しました。
フレディ:夫婦別姓の国は世界中にたくさんあり、中には夫婦の旧姓と全く違う姓を新しく作ることもある。その中で日本では共通姓を名乗る風潮が強すぎて、反対を和らげるため改正案にもわざわざ「選択的」という言葉をつけている。
くぼみ:なぜここまで縛られられなければならないのか?同姓にする選択肢しかないのはなぜか?この問題は今は社会問題化されているが、それでも法改正には至らず現在まで引き継がれてしまったことに憤りを感じる。
3. ディスカッション
ー発表を聞いて
はなこ:自分自身も将来事実婚を選ぶと思う。理想としては別姓だが裁判を起こす負担を負える自信がない。事実婚の子どもの姓はどうなっているのか?
フレディ:当事者へのインタビューを用いた先行研究は多い。ただ子どもが賛成・反対の議論の引き合いに出されることを懸念し、子ども自身の声が聞かれにくく研究も少ない。
はなこ:周りの女性研究者の中にも事実婚が多い。
フレディ:実績が重視される研究者が事実婚を選ぶケースは確かに多い。
もち:1947年に民法改正があったとのことだが、日本の家父長制は変わらず存続しているように見える。1947年前後での違いとは?
ぶーちゃん:「嫁入り」とか「奥さん」「入籍」などの表現もおかしい。
フレディ:制度上「戸主」が絶対的な権限を持っていた。現在は婚姻に関して「両性の合意」が要件となっている。
まるこ:今後も法律が変わることなければ、私も事実婚を選択したいと思っている。事実婚家庭で育った子どもの声は、選択的夫婦別姓を進めていくためにも非常に重要な要素の一つだと感じる。戸籍制度も含めて、今後も継続して議論されるべきだと思う。
ー韓国では?
もち:韓国の家族関係登録制度についてはどのような感触を持っているのか?
きりん:韓国ではもともと夫婦の姓にかんして法律的な規制はなく古来から別姓。
一方、韓国内で議論になっているのは子どもの姓。両親の姓を入れるような運動も。(朝鮮名では姓はほとんどが一文字なので、名前にもう一つの姓を加えて届ける人が多い)
子どもの姓は以前は婚姻届を出すときに届出をしなければならなかったが、昨年、婚姻後に子どもの姓を母親のものにすることを認める判決が下された。(今年の韓国女性大会で受賞)
もち:日本では手続き等、何かにつけて個人ではなく家に縛られることが多いと感じる。
フレディ:韓国では家族関係や人口調査を個人単位で把握するようになった。
きりん:会社などに出すのは大体は「住民登録謄本」(同居している人が表示されている)。
また「家族関係証明」には本人と親のみ記載されていて兄弟の名前は出ない。ただし証明書を要求されることはほぼなく「住民登録謄本」を取りに行くことが多い。
ー夫婦別姓を実現するには?
おかゆ:選択的夫婦別姓に反対する人たちは「家族のまとまり」がなくなる、と言うが、「選択的夫婦別姓」では家族で姓のあり方を選択できる余地がある。世論も賛成の方が多く、議員の中に右派が多いから議論が進まないだけなのではないかと思う。
つまり、制度を変えるための正当性はかなり確立されていると思う。今は市民を納得させるという段階を過ぎて、それでも実際の局面で男性の姓に統一してしまうという現状を見つめるべきとも考えられるか?
フレディ:保守・リベラルで割り切れない賛成・反対の現状もあると思う。「陳情アクション」の中では保守政党の中でも選択的夫婦別姓について知らない人が多く、説明したら議会での法改正提出に動いてくれる人もいる。支持層をどう広げていくかが問題だと思う。
おかゆ:支持層とは?世論の賛成の割合と議会の動きのギャップがなぜ生まれているのかが気になる。あくまで「選択制」なのになぜ進まないのだろうか?
フレディ:姓の問題については世代間の差が大きく高齢層が自民党支持層の傾向。世論が投票を通して選挙結果に反映されていないのではないか。「日本の伝統」が崩されることが怖いという声もある。
おかゆ:「選択」がいずれ自分たちにも降りかかってくるという危機感があるのか?
フレディ:法改正を防ぐために「選択」=「全員が別姓にしなければならない」という間違った情報を流して反対に取り込もうとする動きもあるが、確かではない。
おかゆさんが、昨年末NHKで放送された夫婦別姓に関するドキュメンタリーを紹介してくれました。
https://www.nhk.jp/p/ts/QLKY9QQKK2/episode/te/2W79XKZJ4P/
夫婦別姓に反対する声の中に見られる「家族のつながり」ー別姓によって壊れるものなのでしょうか?「日本の伝統」ー女性へ負担を強い続けることが本当に正当化され得るのでしょうか。もちは大学院生ですが、学術分野でのキャリアを想像するにあたって結婚や出産は犠牲にせざるを得ない現実があると思ってしまいます。
そして「家族のつながり」「日本の伝統」といったものの実態を見ずに思考停止をする姿勢は、日本人が他民族に対し「反日」という言葉を用いて攻撃する態度とも共通するのではないでしょうか。
そうした姿勢の根源には何があるのか、まだまだ学び続ける必要がありますね。
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来月はきりんさんの企画です^^
またお会いしましょう!