ハル[하루]

私たちハルは、現在まで継続する「日本の植民地支配による民族自決・人権の否定」を回復し、歴史を記憶しながら日本と韓国(朝鮮半島)のこれからについて考え、語り合い、行動するためのグループです。このブログではそんなハルの活動報告やお知らせを発信していきます!

グループ「ハル」の紹介

こんにちは!グループ「ハル」を運営しているキリンです。

 

「ハル」の活動内容は毎年少しずつ変わってきましたが、

今年からは以下のような感じで運営していきます!

そして改めてハルのアイデンティティと目標もここにまとめておきます。

 

*「ハル」とは?

私たちハルは、現在まで継続する「日本の植民地支配による民族自決・人権の否定」を回復し、歴史を記憶しながら日本と韓国(朝鮮半島)のこれからについて考え、語り合い、行動するためのグループです。

・ 勉強の場というよりは、それぞれのメンバーが各自の勉強や活動をしていく中での悩みを共有する場所
・自分のアイデンティティに関することや誰にでも言える話ではないことも共有できる場所(「安全地帯」)
・他の人には考えすぎや気にしすぎと言われるような話も無視や否定をされることなくできる場所

 

* 活動内容
 : 毎月第4土曜日の定期オンラインMTG(基本的には参加必須)

 : オフラインの集まり(不定期、自由参加)
 : LINEグループを活用してイベント情報などを共有

・定期ミーティングの日程 

  - 第4土曜日の20時から
  上半期:2/25、3/25、4/22、5/27、6/24
  下半期:7/22、8/26、9/23、10/28、11/25、12/23

 (もし事情があって参加できない場合は必ずミーティングの前日までに連絡)

 ・ 個人発表
  : ミーティングの参加者全員がスライド一枚に1ヶ月間の活動をまとめて発表します。

   (ミーティングが月末にあるので、その月に参加した活動やイベント、読んだ本、観た映画など、ハルで共有したい内容を自由にまとめて報告します。メンバーと一緒に参加したい(開催予定の)イベントの紹介などもOK。写真と簡単な内容を入れたスライド1枚をミーティングの前日まで提出してもらいます。スライド作成には10分以上使わないように!簡単な内容だけまとめて、詳細はミーティング中に口頭で報告します。)

 :このような運営方式で期待できること

   - 活動を続けるモチベーション作り
   - 情報の共有
   - メンバーの活動の記録(パワポ自体が毎月の記録になる)など


*自由脱退期間

毎年2回(6月・12月)の自由脱退期間があります。

何らかの理由で活動を続けられないという方は、この一週間の間に自由にグループを出ていただいて構いません。

 

今までは毎月のミーティングの内容をまとめてブログに載せていましたが、

今年からはより話しやすい空間を作るために定期的なブログ更新はせず活動していきます。

メンバーは常時募集しているので、ハルにご関心のある方はご連絡ください!

ハル定例MTGの記録(2023年1月)

こんにちは!丸メガネです。

自分は去年留学をしていた関係で一年間ハルをお休みしていたのですが、今回のMTGから復帰することになりました!

以下、新年最初のMTGの内容です。

 

 

〇ハルの活動についての確認


まずは2023年のハルの活動について、きりんさんの報告がありました。

・ハルの目的の確認
・ロゴ(ステッカーやバッジを作る予定)
・活動内容(毎月第4土曜日のオンラインMTG、オフラインでの集まり、ポッドキャストなど)
・日程
上半期:2/25、3/25、4/22、5/27、6/24
下半期:7/22、8/26、9/23、10/28、11/25、12/23
・個人発表(参加者全員がスライド一枚に活動をまとめる)
・ブログ運営(ブログチームではなく、メンバーで担当を回す)

 

〇自己紹介


2023年最初のMTGということで、参加者全員で自己紹介をしました!

今年は飲みに行ったり、ご飯に行ったり、遊園地に行ったり、ポッドキャストなどもできたら!という声がありました。

 

〇ブログの担当決め

次いで、ブログの担当を上半期だけ決めました!
担当は以下の通りです。

2月:フレディさん
3月:ほぺさん
4月:りんごさん
5月:ゆずさん
6月:くぼみさん

 

ポッドキャストについて

ポッドキャストについては、私丸メガネが簡単に説明しました。現時点では特に詳細な計画はないですが、今後ハル内で出た話をそのまま発信できたらなと思います!

 

〇その他

・オフラインでの集まり(3月中に集まれたら)
・2月のイベント案内(2/19の在日朝鮮人関連イベント)


・きりんさんの制作した映画の上映会をいつかできたら

 

〇感想

最後に今回のMTGの感想を紹介します!

・丸メガネさん
一年間ハルをお休みしていたので、久しぶりに参加出来て良かったです!まだ直接お話ししたことがない人もいるので、今度またお話しできたらと思います!

・りんごさん
2023年初回ということで様々な関心を持ったメンバーの話を聞いて、今年度のハルの活動がとても楽しみになりました。

・ゆずさん
留学が終わって勉強のモチベーションが下がっている中、久しぶりにお会いできてよかったです。今年一年もよろしくお願いいたします!

・あみさん
それぞれ興味の幅があってお話を聞きたいし、お話沢山出来たらと思いました。入ったのが昨年の10月だったので、今年は沢山お話したいです!よろしくお願いいたします!

・サスンさん
久しぶりに皆さんにお会いできて良かったです。皆さんの興味分野が朝鮮半島に関係のないこともあって、それらと朝鮮半島の話題が重なって新たに学べる点があればぜひ聞きたいです。

・くぼみさん
今年はじめてのミーティングありがとうございました!それぞれの場でされていることがあると思いますが今年もいろいろ共有していただければと思います。私も日々のもやもやや学びを共有させてください。今年こそみなさんにお会いしたいです~

・ほぺさん
今年初回のミーティングということでメンバーの皆さんと顔合わせすることができて、より今後の活動が楽しみになりました!これから少しずつお互いのことも知っていきながら、何かこのグループから新たなつながりや学び・活動が生まれたら嬉しいなと思いました!これからどうぞよろしくお願いします!

 

 

今回のMTGの報告は以上です!

今年もみなさんよろしくお願いします!

ハル定例MTGの記録(2022年12月)

忘年会


ハルメンバーのぞうです。早いもので、2022年も残すところあと1週間となってしまいました…ということで、今回はオンラインで忘年会を行いました。


日頃それぞれのフィールドで活動をしているハルのメンバー。今回のmtgでは、それぞれのメンバーに近況報告をしてもらったあと、「今年1年でこれは頑張ったこと」をテーマに、各々が頑張ったことに対して他のメンバーが褒める、という時間を設けました。


今海外に留学している人、来年から留学を始める人、まもなく留学先から一旦元のコミュニティに戻る人…それぞれ頑張ったこと、しんどかったことなどを共有しながら、この1年を振り返りました。

 

来年からは韓国から日本に移動する人、日本から韓国に移動する人など、メンバーのいる場所がまた変わっていきます。

ハルではオンラインでのmtgはこれまで通り続けながらも、実際に対面で会う機会や、メンバーでフィールドワークを行う機会も作っていきます。
mtgの内容も、メンバーの一人に発表をしてもらう回、のんびりと近況を共有する回など、いろいろな形がもてたら、と思っています。

また、メンバーでプロジェクトを行うことも面白いのでは…という意見も出ています。


韓国も日本も寒い日々が続いていますが、皆さん体調を崩されない様に、良いお年をお迎えください!

ハル定例MTGの記録(2022年10月)

こんにちは!ソウル滞在中のもちです!^^

とても寒くなってきたので寒がりのもちには辛い季節ですが、暖かいスープ飲んで乗り切ろうと思います(; ;)

 

今回のMTGはこのような形で進行しました!

 

 

 

○韓国の女性ラッパーたち

 

今回は最初にきりんさんが、韓国のヒップホップシーンと社会との関連について発表してくれました。以下、発表内容を簡単にまとめたものです。

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ラップ音楽が活発な韓国ですが、中でもユン・ミレさんは代表的な女性ラッパー。韓国人の母と黒人の父というルーツを持つ方ですが、『Black Happiness』という曲をはじめ人種差別を題材にしたラップでも有名です。

しかし韓国でも、最初から社会構造に訴えかけるようなラップばかりが存在したわけではなく、人気ラップ番組『SHOW METHE MONEY』も、マッチョな男性ラッパー中心の番組でした。そこへ2015年から『SHOW ME THE MONEY』の女性版とも言える『UNPRETTY RAPSTAR』が放送開始されました。

しかし、お互いをディスるような雰囲気に、大衆は疲れてしまったと言います。ラップは元々マイノリティの発話という背景がありますが、 韓国のラップの主流はマジョリティ男性ラッパー、中には女性を道具にするような歌詞もあったため、ラッパーに対するマイナスなイメージも存在しました。

しかし韓国ラップは成熟を諦めませんでした。2017年放送開始の『高等ラッパー』は『SHOW METHE MONEY』『UNPRETTY RAPSTAR』の高校生版ですが、この番組を通じて韓国のラップシーンに高校生が登場し、一種の社会的弱者として大人たちへ鋭い批判を投げかけるようになります。

特に注目を浴びているのは『高等ラッパー』シーズン3で優勝したイ・ヨンジというラッパーです。ヨンジは「女性はラップに向かない」「女性のラップは本当のラップではない」という男性からの偏見を打ち破り、男女混合大会で唯一優勝した女性ラッパーとして他の女性ラッパーたちにも大きな影響を与えました。

また「互いをディスる」というラップ番組の雰囲気にも変化が見られました。「『高等ラッパー』のシーズン2で作られた曲「バーコード」は精神的に安定した高校生とうつ病の高校生が「光と影」というコンセプトでラップをし、「GoodGirl」という番組では女性ラッパーが協力してラップを完成させる場面が見られました。

 

明治大学リバティアカデミー×人文科学研究所連携公開講座「ラップ音楽と人種、ジェンダー ー2つの『現場』から」を受講して

 

ぶーちゃんさん:ストリートとアカデミックとの関係について「ラップカルチャーの研究でストリートに立ち返ることは重要」という言葉が印象的でした。ラップは知識や言葉から生まれるのではなく、運動を起こすのはストリートであるということです。

またヒップホップフェミニズムについても初めて耳にしましたが、ヒップホップへの向き合い方、発話に対して聞き手がどのように応答するかが重要だという講義にハッとしました。日本でマイノリティとして活動する表現者はたくさんいるが、その声をもっと聞かなければと思いました。

『わたしはラップをやることに決めた』(つやちゃん著、2022年、DU BOOKS)もおすすめです!https://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK320

 

きりんさん:かっこよさと政治的正しさが接続しているのがラップの魅力という話もありましたね。また個人的には、アカデミックと運動の現場とのつながりやヒップホップの中でのミソジニーについても言及されていて勉強になりました。

 

フレディさん:アフリカからやってきた音楽が世界中で伝播していくうちにいろいろなものが生み出されているのが面白い一方、民族・ジェンダーなどの問題が発生していると思います。それに対する取り組みが出てきているのも興味ぶかいです。

 

きりんさん: シンポジウムに対して「自分の好きなラップを政治やジェンダーと結びつけるな」というアンケート結果があったことも衝撃でした。

 

茶々丸さん:ラップについてはマイナスなイメージを持っている人が多いと思います。背景を知らないと差別的な態度をとってしまうのではないかと危機感を覚えました。

 

りんごさん:フランスでは黒人によるラップが盛んで、政治批判の文脈も多いです。日本ではそうした点が意識されていないのではないかと思います。例えばパリでは中心部には白人中心の富裕層、周辺部に有色人種や貧民街という風に居住空間が分かれていて、使う言葉も違いますが、そのような状況の中でマジョリティに対して「君たちは社会の中心だと思っているかもしれないが、実は見えていないものばかりで、自分たちは周辺部からの視線も持っているのだ」という歌詞がありますね。

 

あみさん:ラップについては苦手意識があり、「なぜ悪口しか言わないんだろう」と思っていたのですが、協力するラップがあることを知って興味を持ちました。

 

きりんさん:ラップには本来相手へのリスペクトを前提の上で批判をするという点でヘイトとは性質が違う点もあるという説明もありましたね。

 

ぶーちゃんさん:黒人音楽が在日朝鮮人を通して日本での在日朝鮮人解放運動に与えた影響や、川崎の外国ルーツの子どもたちがラップを通して自己表現するような姿も紹介されていました。

 

一方で、日本の音楽シーンや芸能界では、有名歌手が「外国人が日本の土地を奪う」とSNS上で発言するなどの差別的言動があったり、旭日旗の使用など歴史的文脈を無視した表現も多く見られるという指摘がありました。

 

 

○近況報告と今日の感想

サスンさん:モンダンヨンピルの映画祭に参加してきました。

(詳細は前回の韓国オフラインMTGの際に共有されていますので、こちらをご覧ください)

https://krharujp.hatenablog.com/entry/2022/11/11/011534

 

茶々丸さん:私もンダンヨンピルの映画祭に参加して『私はチョソンサラムです』『4.23』を見ました。『4.23』は『ニジノキセキ』のリメイク版ですが、朝鮮学校高校無償化排除反対デモの当事者として「ニジノキセキ」に出てきていた子が大学生になって出演していました。同じ年代の子どもたちがこういう目にあっていることをもっと自覚して行動したいと思いました。

また先月『表現の不自由展 神戸』の手伝いに行きました。テーマが「女性の人権」なのですが、実行委員に女性がごく少数であったこと、飲み会などでも女性差別的な言動が見られるなどしてショックでした。『表現の不自由展 東京』の実行委員会としても活動していたのですが、その時は女性が多かったのですが… 

 

ゆずさん:梨花女子大学に交換留学中で、大学では平和ナビというサークルで活動しています。日本軍「慰安婦」問題や女性学を中心に勉強していて、平和ナビの活動で水曜デモに行ったことがきっかけできりんさんと知り合いました。この前演劇『정희정』をきりんさんと一緒に見に行ったのですが、朝鮮語で「トルボム」という、人のケアをテーマにした演劇です。そうした職業には女性がつくことが多いですが、改めて今の社会が人をケアする仕事を軽視していることを感じました。また『アフターミートゥー』という映画も見にいきましたが、女性が安心して見れる映画でした。

 

きりんさん:『アフターミートゥー』は、 男性教員の女性差別的な発言を契機に始まったスクールミートゥーと、子供の時の性暴力被害を長い時間が経過した後に認識し語り始めた女性など、4つのテーマを題材にした映画です。見に行った時には監督の挨拶もあったのですが、私が女性の声を伝えるドキュメンタリー制作に興味があることもあり、当事者ではない声を記録するときの責任感について質問してみました。監督から、被害女性が「世の中に被害を伝えるために自分の体験を繰り返しいう事になるが、活動家などからは「またその話?」という顔をされることもあった。カメラは表情が無いので良い」と言われたという話があり、とても印象的でした。

 

りんごさん:自分の勉強しているフェミニストスタディーズが一学問としてみなされていないなとよく感じます。マッチョな学問の仲間入りをしなくていいと思う一方で、腑に落ちない感じもします。

 

あみ:きりんさんも運営に関わっていた日韓青年フォーラムに参加してきました。韓国側の参加者には活動家なども多くて知識の差を感じ、自分の視点から見ているものは一面に過ぎないことを忘れていないかと自分自身を振り返るきっかけになりました。

 

きりんさん:ハルでも安心して話せる空間を守りつつ、活動の幅を広げていきたいなと思います。映画、演劇、音楽などクリエイティブな活動もあり。やりたいことをどんどん提案していきましょう!

 

○ 終わりに

音楽と社会に関する話が盛りだくさんで、音楽など芸術分野についてあまり詳しくないもちにはとても新鮮な回でした。またそれぞれの場所で色々な取り組みをしているメンバーの様子を聞いて、もちも改めて自分の在り方について考えさせられました。

 

11月のミーティングは休む予定です。12月のミーティングの記録を楽しみにしてください!

初の対面MTG in 韓国(2022年9月)

こんにちは、サスンです。9月下旬、ハルが発足してから初めて、対面ミーティングを実施しました。韓国にいるメンバーが増えたため、対面開催ができました。みんなで食事しながら、時に脱線しながら、真剣に話すことができるのは、対面ならではの魅力ですね。簡単に話した内容を報告します。

 

在日朝鮮人ドキュメンタリー映画

 

在日朝鮮人が通う朝鮮学校を取り扱ったドキュメンタリーを上映した映画祭がソウルの新村で開催されました。ハルのメンバーも4人ほど映画を観に行きました。中には、映画祭のボランティアスタッフとして参加した人もいます。

 

映画の多くが、在日朝鮮人が置かれている差別の現状を映し出すとともに、民族のアイデンティティを育む場としての朝鮮学校の温もりを映し出す名作ばかりでした。在日朝鮮人、そして韓国人監督による作品が上映されました。ラグビー部、ボクシング部といった朝鮮学校の日常から、4.24 阪神教育闘争などの歴史を扱ったものまでたくさんあるので、興味のある方はぜひ観てみてください。

 

一方で、ハルのメンバーが違和感を抱くポイントもありました。これは映画祭後の打ち上げで話したことを、対面ミーティングで振り返ったものです。

 

きりんさんは、映画祭で開催されたトークショーで、男性監督しかいなかったことにモヤモヤしていました。また、体育会部活動に焦点を当てる作品の場合、作品から女性が排除されていました。トークショー同様にジェンダー的な課題があるなと思います。

 

そして、映画では朝鮮学校の無償化裁判が描かれており、それが象徴的なシーンになっていることにも触れました。無償化裁判が敗訴という結果に終わった後、いかにこの問題について、映画を通して伝えていくのかについて、意見交換していました。

 

(※以下、一部不適切な発言を引用しています。ご注意ください。)

すると打ち上げにいたある男性が、社会問題を扱う映画には「エンタメ性が必要」という文脈で「慰安婦の女性と日本軍人の愛を描くのはどうか」と当然言い出しました。この話をハルのメンバーに共有すること自体憚られます。

日本軍「慰安婦」サバイバーの証言の中に、軍人と恋をしたという話があったとしても、それが極端な性奴隷の状態で、誰にも頼れずそのような感情を持ってしまったという脈絡を理解しないといけません。

 

その大前提をメンバー間で改めて共有しました。

 

韓国社会を大きな主語で語る危うさ

 

ハルのミーティングを対面で開催できたのは、韓国で留学生活を始めた学生が増えたからです。まだ1ヶ月程度しか生活していない人から、何年も生活している人まで、様々にいます。ここで、一度立ち止まって、日本人として韓国社会で生活するときの姿勢を振り返ってみました。

 

ノグリさんは、対面ミーティングに参加したメンバーの中で、一番韓国生活が長いです。留学生活を始めた前後は、ろうそくデモが広がりを見せている時で、日本での報道のされ方は酷かったです。ろうそくデモを「韓国で暴動が起きている」というような論調で伝え、留学が怖くなったとか。

 

また「韓国は性暴力が多いから気をつけて」とか、急発進する車を見て「これだから韓国は」と言う日本人の姿にノグリさんは違和感を覚えます。それらは日本でも存在し、韓国特有の話ではありません。

 

留学や仕事を通して韓国に滞在して、自国と比較したくなる気持ちも分かりますが、時にそれは慎重である必要があります。なぜなら、特に日本人の場合は、過去の植民地支配の反省を全く踏まえていないからです。「これだから韓国は」という発言の裏には、自国(日本)が上で、韓国は下だという意識が読み取れます。これは、過去に朝鮮半島を植民地支配した考え方と、ほとんど同じだと筆者は思います。

 

歴史に向き合うきっかけ

 

前述したような植民地支配の歴史を踏まえず、大きな主語で韓国を語るような過ちを、私たちもしてしまっているかもしれないです。しかし、これまでに歴史に向き合うようになるきっかけがあったからこそ、今ハルに在籍しているのです。そんな自分の原点をそれぞれが話しました。

 

ノグリさんの場合は、韓国の現代史を学んでいくにつれて、自分も植民地主義の当事者の一人なのだと気付きました。もちさんは、日韓交流の日程の中で、慰安婦問題について、日本政府の立場をなぞる無知な発言をしていました。しかし、友達と西大門刑務所を訪れた後、サムルノリの美しい演奏を聞いてはっとします。「自分たち(日本)はこういうもの(美しい文化)を無くそうとしていたのだな」と気づいたのです。

ゆずさんは、小学生の時からK-POPが好きでしたが、反韓家庭で育ちます。留学も応援してくれなかったし、民族差別的発言も耳にしたそうです。しかし、ゆずさんは「これは違うだろ」と思い続けていました。そんな時、お世話になった先生が朝鮮半島にルーツのあることを知りました。今では、韓国人学生の考え方にも触れ、日本軍「慰安婦」問題に取り組むサークル活動など、充実した学びとなっていることを報告してくれました。ぞうさんは、学部生の時の訪朝経験が転機となって、在日社会、そして朝鮮半島と日本にまたがる親族研究へと進みます。

 

各々の原点となる経験や想いを共有する貴重な機会となりました。二次会はカラオケに行き、大盛り上がり。対面活動も今後徐々に増やしていく予定です。ブログでの活動報告を楽しみにしていてください。

ハル定例MTGの記録(2022年8月)

皆さん初めまして、こんにちは。今回の会議からハルのメンバーに加わらせていただきました、ぞうと申します。今は大学院生で、韓国で交換留学をするために、2022年8月末に日本から韓国にやってきました。これから2年ほど韓国で長期留学をする予定でいます。

 

今月のmtgを経て、私を含めて4人の新しいメンバーがハルに入ることとなりました...!!!このブログでも今後登場されると思うので、その際はよろしくお願いします。

 

 今回のmtgはりんごさんが進行を務めて下さいました。ハルのmtgでは、普段はメンバーの内、一人が自分が話したいトピックや事象について事例紹介をし、そのトピックについてみんなで話し合っていく、という形をとっているのですが、今回のmtgでは、初めて参加するメンバーが多かったことから、各々の自己紹介と問題関心の共有を中心として、会を行いました。

 

 

新しいメンバーとの自己紹介

 

 自己紹介の中で共有したトピックは以下の通りです。

―どうしてハルに参加しようと思ったのか

―関心についてもっと詳しく(日朝・韓に限らなくてOK)

―ハルでやりたいことなど(あれば)

 

 メンバー個々人の個人的な関心については、それぞれのメンバーの執筆時に紹介してもらえたらと思っているのですが、ハルの特徴として、メンバー全員が歴史問題やジェンダーに関することなど、何らかの社会問題に真剣に向き合っている、ということが挙げられるかと思います。

 

 メンバーからも時折話題に出てきたのが、なかなか自らの(真剣な)話を共有できる相手がいない、という話でした。会話の中で、自分と相手の問題認識の度合いが異なった場合、「(議論する前に)話を理解することができない、よって議論が成り立たない」という問題が往々にして起こります。

ハルには社会問題に向き合っている人が集まってきており、メンバー同士の信頼関係の中で、深く議論をすることができる、というのが、メンバー個々人にとっても、他のコミュニティとは違う場になっているようです。

 

 

 また、これまでは韓国以外の国にいるメンバーが多かったことから、オンラインでのmtgを行っていたのですが、今回入った新メンバーの多くは今韓国に留学している人びと。今後は、韓国国内でも直接会う機会を増やしていけたら、という話も出ました。

 

 加えて、今年度内には韓国でのフィールドワークも実施したいという運びになりました。また皆さんにもご報告できたらと思います。

 

 今回も最後までお読み下さりありがとうございます!

ハル定例MTGの記録(2022年7月)

はじめまして、ブログ担当のるーです!
今回は、2022年7月に行ったミーティング内容を紹介いたします


目次

 

 

みんなで行ってみようの会


今回のミーティングの担当はノグリさんでした。ノグリさんは、韓国で「植民地の記憶の場所にみんなで行ってみよう会」(以下、みん会の)代表として活動しており、今月はみん会での活動を紹介していただきました。


みん会とは、どのような団体なのでしょうか


正式名称「植民地の記憶の場所にみんなで行ってみよう会」(略してみん会)は、2019年3月にソウルで結成した日韓学生会です。日韓学生が共に植民地の歴史の記憶の場所に足を運び、感想を共有する活動を行っています。当初「日本人1人だと心細くていけないところに行ってみよう」をモットーに結成されましたが、現在は日本人学生の他に、多くの韓国人学生が参加しています。
みん会はソウルを中心に活動しており、主にソウル・京畿道にある日本の植民地時代に関する場所やセミナーに足を運びます。私たちは、”その場に足を運ぶ”という体験作りに活動の重心を置いており、みん会は既存の討論会や勉強会とは全く性格の異なる活動です。そのため、日韓の歴史について全く知識がない方でも、楽しみながら学べる内容となっています。


「植民地の記憶の場所にみんなで行ってみよう会」

minkai.hatenablog.com

,最終閲覧日2022/09/18


このように、日本語が可能であれば誰でも参加可能という条件のもと、植民地や民主化運動の遺跡を訪ねる活動を行っています。
続いて、2020 年夏休み特別企画として 8 月 15 日の光復節に合わせて開催された、2 泊 3日の群山・光州・木浦近現代史ツアーの内容の紹介に進みました。ツアーの詳細はみん会のブログに掲載されているので、ぜひご覧ください。ハルのブログでは、郡山の日本式家屋 (적산가옥:敵産家屋)を巡るメンバー間の意見交換を取り上げます。
郡山や木浦は、日本人の便宜上の理由で発展した土地・地域であり、日本人家屋が今でも多く残っていることで知られています。植民地化をきっかけに中心地が移動した事例は多々あり、ソウルでは、元々発展していた景福宮があったから明洞へ。釜山でも、北部に位置する東莱(동래)が衰退して、海岸沿いへと中心が移りました。
特に、解放後の郡山では、日本人がいなくなったことで街が衰退してしまったため、日本式家屋を活用することで観光客を集客しようとする試みが生じています。郡山市全体で日本式家屋を新しく建築し、『日本人が住んでいた町』というアピールをすることで、実際に若い世代を中心に観光客が増え、市としては収入の増加を評価している一方で、元々は存在していなかったものを新たに建設してまで、日本人の集住を強調することに疑念の声も上がっています。
また、ソウル市内にある「植民地歴史博物館」についての話に移ったのですが、こちらはメンバーの中にも訪問の経験がある人が多い印象でした。
「植民地歴史博物館」は、政府の援助なしに、民間資金のみを用いて、植民地支配の歴史全体を知ることのできる博物館として、民族問題研究所により2018年に設置された博物館です。1945年以降、植民地期に対日協力をしていた朝鮮人(いわゆる「親日派」)を処罰しようという親日清算の動きが生じていたにもかかわらず、南北の対立構造のもとで曖昧になり、むしろ親日派が今もなお権力を維持しているという現状があります。こうした問題意識から、「親日人名辞典」というカードを作ったのが李離和(이이화, 慶尚北道大邱出身, 1937-)さんを中心とした民族問題研究所でした。江華島事件から日韓を横断して取り組まれている日本軍 「慰安婦」問題の闘争の歴史まで、植民地支配によって生じた問題に幅広くアプローチして いる点で特徴的であり、みん会の参加者たちからも「朝鮮半島が経験した近現代の歴史を全体的に知ることができ、勉強になった」という声があったといいます。


 
足を運ぶべき場所


その後は、質疑応答や感想の共有に移りました。この夏に韓国を訪れるメンバーが複数いたことからも、韓国内で足を運ぶべき場所という話題になり、韓国内では郡山に残る性売買施設の跡地、仁川のチャイナタウン、移民史博物館などがあがりました。
逆に日本ではどこがあるだろうか、という問いによって、まるこさんが大阪・鶴橋をあげ、やはり独特な雰囲気があり、飛び交う韓国語も韓国の言葉とは異なり、この土地で発展してきたのだと感じられたと話していました。また、在日朝鮮人の方が管理している強制連行の遺跡が京都の山奥に残っており、トンネル内は夏なのにかなり寒かったそうです。また、東京・千代田区にある遊就館についても意見が飛び交いました。きりんさんは、日本の大学生と日韓の遺跡をめぐるイベントに参加し、靖国神社遊就館を訪問したものの気分が悪くなったという経験を話していました。幼い子どもと一緒に家族ずれで訪問する人や、変わった韓国人もいたりするそうです。くぼみさんも、大学のゼミで遊就館に行ったものの、いろいろな立場や思想をもつ人が集まっているため、そこで飛び交う言葉に思いがけず傷つくこともあるかもしれないということ、また学習する素材として遊就館があることの意味について問題を投げかけていました。
それから、りんごさんは近々朝鮮学校見学にも参加されるとのことでした。くぼみさんは、 授業参観・文化祭のような日に行ったことがあるけど、すごく楽しかったと話しており、親がお酒飲んでいたり、子どもの応援をしていたりと、朝鮮学校が彼らにとって日常の一環であることを再認識したそうです。


 
手話から手語へ


続いて、きりんさんは植民地支配の話とは変わるけれど、という前置きとともに韓国手話について紹介してくれました。明晴学院という日本唯一の私立ろう学校は、手話だけの教育をしており、幼稚園の子どもたちもいきいきと手話で話していたり、その実践から学ぶことが多くあったそうです。また2016年に施行された「韓国手話言語法」により、韓国手話は韓国語と同等の資格をもつと示され、韓国のろう者の歴史の中で革新的な出来事であったこと、そして一つの言語という意味から「手語」という名称に変更されたことを話していました。
くぼみさんも、手話は動物的であるという理由で、口を読む教育が一時期流行ったが、そのせいで、自己内言語を育てることがおろそかにされていたという経緯があり、その反省を踏まえ、子どもたちが解放された様子で自分の言語として手話を獲得している姿がとても感動的であったと言っていました。
障がいをもつ人々を扱ったコンテンツとして、くぼみさんが、障がい児運動や手話との出会いを漫画で描いている「山本おさむ」を紹介し、彼の作品を通じて、人によって手話をする際の手の動きが違って、そのことで表現できるもの・味わえるものがあるんだなと知ったそうです。また、きりんさんが、韓国内では老若男女問わずみんな見ているという「ウ・ヨ ンウ弁護士は天才肌(이상한 변호사 우영우)」を挙げ、性差別や開発事業など現代社会の様々な問題を取り上げていることを話していました。ノグリさんは、脳性麻痺があり発話や歩行が困難である女性と、前科のある男性を描いた「オアシス」という映画があげ、この映画以前には、障がいをもつ人々が移動するための手段がなかったという問題を指摘していました。

 

では8月のミーティングの記録も楽しみにしてください!